ミャンマー・ヤンゴンで日本人女性二人が、ミャンマーの古き良き伝統的織物をベースにしたフェアトレードビジネス「moringa」プロジェクトを立ち上げた。
ミャンマーは135以上の異なる民族が存在する。
そしてその民族ごとに異なる織物が存在するのだが、その織物をスタイリストの今野さんと、十数年にわたりNGOの一員としてミャンマーで活動する水口さんが最新トレンドに合わせたバッグとして商品化したところから、このプロジェクトはスタートした。
今回、そのプロジェクトの共同代表である今野さんにミャンマーでビジネスを立ち上げた目標や苦労などをインタビューしてみた。
問:「moringa」プロジェクトのコンセプトと商品について教えてください。
今野さん:一言でいうと「ミャンマーのテキスタイルを世界に」というイメージです。
ミャンマー民族の伝統的な布は、民族によって異なる色と柄が組み合わさりここにしかない魅力に溢れています。
しかしほぼロンジー(ミャンマーの伝統的な洋服)用と用途が限られており、世界的に認知度がありませんでした。
また経済発展に伴い、海外からの安価な商品に押され、伝統的な織物は衰退する地域もあり品質も悪くなっています。
「こんな素敵な文化をなんとか残したい」——私たちはこのミャンマーの財産を使って
「ミャンマー人の、ミャンマー人による誇れるものづくりをしたい!」と考えました。
商品化については、いろいろ考え、模索したのですが、最終的にその魅力を最大限に引き出せる「バッグ」という形に行き着きました。
https://readyfor.jp/projects/13629(詳しくはこちらを参照ください)
問:当初ビジネスとしてイメージしていたことと、現実のギャップはありましたか?
今野さん:ミャンマーの方が考えるクオリティと、自分の考えるクオリティとの大きな差がありました。
今までの皆が思う「アジア雑貨=低品質=安価」というイメージを防ぐために、クオリティには大変気を使っています。
しかし、ミャンマーの方が考えるクオリティと私たちが思い描くものとの品質の差がとても大きく、きちんと説明したつもりでいてもなかなかその意図が伝わりません。
今は、その品質についての意識の差を埋めるのに苦労をしています。
また、私の今までの経験で、ここまで説明すれば大丈夫だと思うことも、想像よりも細かく言わないとうまく伝わらないということもわかってきました。
何度確認しても同じ間違いが繰り返され、一旦出来るようになっても、また出来なくなってしまったりすることも。
そのあたりの改善も試行錯誤中です。
どちらかに合わせるというよりも、お互いに歩み寄り、理解した上で商品を作りたいと思っているのですが、それを実践することの難しさを感じています。
問:商品自体について大変なことはありますか?
今野さん:品質管理が大変です。
湿度の高い国ですので、布や商品をカビないように、汚れないように管理することも想像以上に大変でした。
問:ビジネスを手がけて良かったことはなんですか?
今野さん:みんなで協力して、1つの商品を丁寧にきちんと作り上げることへの喜びが感じられるのがとても嬉しいですね。
また、それを手に取ってくださったお客様にも、同様に喜んでいただけた時も本当に嬉しいです。
プロジェクトを続けていく中で少しずつ協力してくださる方が増え、同じ志を持った方との交流やたくさんの素晴らしい出会いもありました。
これもビジネスを手がけて良かったことの一つです。
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