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【知らないと損するタイ進出情報】肝いりで始まったコンビニ生ビール1週間で廃止に

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旅行先のような感覚で手軽に生ビールを味わってもらおうとタイの大手コンビニエンスストア、セブンイレブンとファミリーマートが始めた店頭での試験販売が、反アルコールグループによる反対で開始からわずか1週間余りで廃止に追い込まれた。
タイには、仏教行事日と選挙の前日など特定の日でアルコールの販売を禁じる法律があるが、これまで様々な抜け道があった。
ところが、4年目となる軍事政権が取り締まりを強化しており、反対グループが流れに乗じて押し切った格好だ。

2017-10-14

「セブンイレブンを展開するCP ALLは未成年者のアルコールへのアクセスを容易にさせ、中毒者を増加させようとしている」――。
こんなプラカードを手に反アルコールグループのメンバーがCPグループの本社(バンコク・シーロム)のあるCPタワーに押しかけたのは10月6日のことだ。
10月に入ってからセブンイレブン18店舗で始まった自動注入機による生ビールの販売に抗議するためだった。

CP ALLを傘下に持つタイ最大の財閥CPグループにとっては「全く予想だにしない事態だった」(広報担当)。
抗議メンバーの中には科学者もいて、「未成年者が容易にアルコールに接する機会を提供している。2008年アルコール管理法に明確に違反する」と保健省への刑事告発も辞さない構えだったことから経営幹部が緊急会合。
4日後の10日インターネットを通じて、試験販売の一斉廃止を発表した。

矛先は同様のサービスを展開していた大手財閥セントラル・グループのファミリーマートにも向けられた。
セブンと同じように抗議を受け販売の中止を決定。
店頭から自動注入機を撤去した。
今後の再開の見込みはないという。

「国王は仏教徒でなければならない」と憲法で定めるタイで、さまざまな仏教行事は事実上の国民行事となっている。
僧侶が安吾(仏教上の修行)に入るカオパンサーや安吾を終えるオークパンサーなどではアルコールを断って仏陀や祖先に祈りを捧げる習慣が今なおあり、酒の販売が法律で禁止されている。

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ただ、一方で観光を貴重な収入源としてきたタイにあって、外国人を主な対象に曖昧な運用が例外を生むなど禁酒日(酒の販売が禁じられている日)であっても店を選べば飲酒は可能というのが、これまでの実態だった。
こんなところも「タイらしさ」があるとされた。

ところが、2014年5月の軍事クーデター以降、軍政は違法風俗の摘発や路上の屋台の撤去、時間外営業をしている飲食店への立ち入りなど取り締まりを強化している。
アルコールも例外ではなく、禁酒日に酒の販売をした飲食店の摘発を強力に進めている。
かつては「袖の下」で通用していたアンダーテーブルマネーの習慣も一切なくなった。

これに勢いを得たのがタイの反アルコールグループだった。
日本に比べ国民的な余暇の少ないタイで、安価なアルコールの摂取は束の間の楽しみ。
反面、それは依存症の患者も多く生んでいる。
未成年の中毒者も社会問題となっている。

低迷する消費の起爆剤にとセブンイレブンとファミリーマートが打ち出した今回の奇策だったが、タイミングと場所がマッチをしなかった。
軍政の〝本気度〟を読み違えた。
タイ最大の大手財閥さえも見誤る商売の難しさ。
他山の石の好例となるのであろうか。

(写真は上から順に、CPの試験販売中止の告知、事件を伝えるBangkok Postの記事、同Nationの記事)

 

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